Moshiru

セキュリティの手引き

個人情報が漏れた(おそれがある)ときの報告と通知|個人情報保護委員会への速報・確報

公開:2026年10月14日/最終更新:2026年10月14日/Moshiru 岡﨑 悠太

結論:個人データの漏えいや、そのおそれがあり、4つの場合のどれかに当たるときは、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務です。報告は2段階で、速報は知ってから概ね3〜5日以内、確報は30日以内(不正の目的によるおそれがあるときは60日以内)です。「おそれ」の段階でも対象になるため、確証を待たずに準備を始めてください。報告は委員会のWebの報告フォームから行います。

個人データ漏えい時の流れ。4つの場合に当たるか判断し、3〜5日で速報、30日または60日で確報、本人へ通知

報告が必要な4つの場合

場合例(委員会のガイドラインより)
①要配慮個人情報が含まれる従業員の健康診断の結果、患者の診療情報が入ったUSBメモリをなくした
②財産的被害のおそれがあるクレジットカード番号、送金・決済できるサービスのIDとパスワードが漏れた
③不正の目的によるおそれがある不正アクセス、ランサムウェアでの暗号化、書類の盗難、従業員の持ち出し、入力フォームの改ざん
④本人が1,000人を超える設定ミスで、1,000人を超える顧客の情報がインターネットで見られる状態になった

報告の期限と方法

段階期限書くこと
速報知った時点から概ね3〜5日以内その時点で分かっていること
確報知った日から30日以内(③は60日以内)9項目すべて

報告する9項目は、概要、漏れた個人データの項目、本人の数、原因、二次被害のおそれ、本人への対応、公表の状況、再発防止策、その他です。速報の時点で全部そろっていれば、1回で速報と確報を兼ねられます。

本人への通知

本人への通知は、状況に応じて速やかに行います。すべてが分かるまで待つ必要はありません。伝える内容は、概要、漏れた項目、原因、二次被害のおそれ、本人が取れる対策などです。方法は郵送やメールなど、本人に確実に伝わるものにします。連絡先が分からず通知できないときは、事案の公表や、問い合わせ窓口を設けて公表する方法で代えられます。

件名:お客様の個人情報に関するお知らせとお詫び

〇年〇月〇日、当社の(システム名)において、
(不正アクセス等)により、お客様の個人情報が
外部に漏えいしたおそれがあることが分かりました。

■対象となる情報:氏名、メールアドレス、(項目)
■原因:(分かっている範囲で)
■現時点での二次被害:確認されていません/(内容)
■お願い:不審なメールにご注意ください。
 (パスワードの変更など、取っていただきたい対策)
■お問い合わせ:(窓口・受付時間)

ひな形は例です。実態と違う内容をそのまま写さず、分かっていないことは「調査中」と書いてください。

報告の前に社内でやること

  1. 責任者にすぐ報告し、広がりを止める:不正アクセスなら該当の機器をネットワークから外し、パスワードを変えます。
  2. 事実を調べる:いつ、何が、どこから、どう漏れたか。ログや記録を消さずに残します。
  3. 影響の範囲を決める:誰の、どの項目が、何人分か。4つの場合に当たるかを判断します。
  4. 再発防止策を考え、実施する。

ランサムウェアの場合の初動は、感染したら最初にやることにまとめています。

よくある質問

4つの場合に当たらなければ、何もしなくていいですか?
報告の義務はありませんが、任意で報告することはできます。社内での調査、原因の究明、再発防止は、漏えいがあればいつでも必要です。
後から「漏れていなかった」と分かったら?
報告対象に当たると判断したあと、実際には当たらなかったと分かった場合、本人への通知は不要とされています。委員会への報告の扱いは、報告フォームの案内か委員会に確かめてください。
委託先から漏れたときは誰が報告しますか?
原則は委託元と委託先の両方です。委託先が委託元に知らせた場合は、委託元が報告します。

事故のあとに届くチェックシートにも、事実で答える

事故のあとは、取引先から「再発防止策は」「報告体制は」と聞かれることがあります。Moshiruは、セキュリティチェックシートの回答を、打合せなし・テキストのやり取りだけで作ります。今の体制と、これから整える所の書き方まで仕上げます。

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参考にした資料

  1. 個人情報保護委員会「漏えい等の対応とお役立ち資料」
  2. 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」3-5
  3. 個人情報保護委員会「漏えい等報告・本人への通知の義務化について」