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セキュリティの手引き

情報漏洩が発覚したら|最初の72時間の対応フロー

公開:2026年10月14日/最終更新:2026年10月14日/Moshiru 岡﨑 悠太

結論:最初の5分は①広がりを止める ②記録を残す ③責任者に報告するの3つだけです。1時間以内に窓口を1人に決め、24時間で「誰の、どの情報が、何人分か」を洗い出します。個人情報保護委員会への速報は、知ってから概ね3〜5日以内。72時間はその準備に使います。

発覚から速報までの流れ
  1. 5分止める・記録・報告
  2. 1時間窓口を1人に決める
  3. 24時間範囲を洗い出す
  4. 72時間報告と通知の準備
  5. 3〜5日委員会へ速報

最初の5分:止める・残す・知らせる

  1. 広がりを止める:不正アクセスなら、その機器をネットワークから外します。電源は切りません。
  2. 記録を残す:気づいた時刻、きっかけ、画面をスマホで撮ります。
  3. 責任者に報告する:社長か、決めてある責任者へ。メールが乗っ取られている場合に備え、電話で伝えます。
最初の5分

やらない

  • ×電源を切る・初期化する
  • ×ログを消す・上書きする

やる

  • ○ネットワークから外す
  • ○時刻と画面を記録する

手がかりを消さずに広がりだけ止める

個人情報保護委員会のガイドラインも、漏えいが分かったら責任ある立場の人にすぐ報告し、被害が広がらないようにすることを最初に挙げています。

1時間以内:窓口を決め、時系列を書き始める

社内外への連絡は窓口を1人にします。話す人が増えるほど、説明が食い違います。窓口の人は、下のひな形で時系列のメモを書き始めます。

■時系列メモ(分かった順に1行ずつ足す)
〇月〇日 〇時〇分 (誰が)(何で)気づいた
〇月〇日 〇時〇分 (責任者名)に報告した
〇月〇日 〇時〇分 (機器名)をネットワークから外した
〇月〇日 〇時〇分 (保守会社名)に調査を頼んだ

■まだ分からないこと
・いつから起きていたか
・どの情報が、何人分か

このメモは、あとで委員会への報告、本人へのお詫び、警察への相談のすべてに使います。推測は「未確認」と書き分けます。

時系列メモの使い道
1委員会への報告
2本人へのお詫び
3警察への相談

推測は「未確認」と書き分ける

24時間以内:影響の範囲を洗い出す

ガイドラインが求める対応は、①社内報告と拡大防止、②事実の調査と原因の究明、③影響範囲の特定、④再発防止策、⑤委員会への報告と本人への通知です。24時間で③の見通しを立てます。

ガイドラインが求める5つ
  1. 1報告・拡大防止
  2. 2事実と原因を調べる
  3. 3範囲を特定する
  4. 4再発防止策
  5. 5報告と通知
範囲を決める3つの問い
  • 誰の情報か
  • どの項目か
  • 最大で何人分か

次の4つのどれかに当たれば、委員会への報告と本人への通知が義務です。漏れた確証がない「おそれ」の段階でも対象です。

当たるもの例
要配慮個人情報従業員の健康診断の結果
財産的被害のおそれクレジットカード番号
不正の目的のおそれ不正アクセス、盗難、従業員の持ち出し
本人が1,000人を超える設定ミスで顧客名簿が見られる状態に

データが高度に暗号化されているなど、本人の権利を守る措置があれば報告はいりません。判断に迷うときは、報告する前提で準備を進めます。

報告が要るか
4つのどれかに当たる?(おそれを含む)
はい速報の準備に入る
いいえ調査と再発防止は続ける

72時間以内:報告・通知・連絡の準備

  1. 委員会への速報:報告フォームに、その時点で分かっていることを入力します。期限の数え始めは、会社のどこかの部署が知った時点です。
  2. 本人への通知:状況に応じて速やかに。全部分かるまで待つ必要はありません。
委員会への報告の期限
3〜5日速報知った時点から概ね
30日確報不正目的のおそれは60日
  1. 委託元への連絡:預かった情報が漏れた場合は、委託元に速やかに(概ね3〜5日以内)知らせます。知らせれば、自社の報告義務は免除されます。
  2. 警察への相談:不正アクセスや盗難なら、警察庁のオンライン受付窓口か、都道府県警察に相談します。
72時間で連絡する先
1個人情報保護委員会報告フォーム
2本人お詫びと通知
3委託元預かった情報なら
4警察不正アクセス・盗難

お詫び文はお詫び文の例文集、フォームの入力は報告フォームの書き方にまとめています。公表するかどうか、どこまで書くかは、弁護士に相談してから決めます。

72時間でそろえる文書
  1. 1時系列メモ
  2. 2速報の入力内容
  3. 3お詫び文の下書き

よくある質問

原因がまだ分からなくても、速報を出していいですか?
はい。速報は、報告する時点で分かっていることだけでよいとされています。分からない点は、30日(または60日)以内の確報で埋めます。
土日に発覚した場合、期限はいつから数えますか?
会社のどこかの部署が知った時点からです。確報の30日・60日は土日・祝日も数えます。最終日が土日・祝日・年末年始なら翌日が期限です。
報告フォームは夜間も受け付けていますか?
委員会の案内では、保守などの場合を除き、原則として終日受け付けています。

いま起きているなら、文字で相談してください

Moshiruの代表は、大手自動車メーカーでセキュリティインシデント対応のチームリーダーを務めてきました。分かっていることだけ送ってください。最初にやることを、テキストで返します。

事故が起きたら相談する24時間受付・30分以内に返信個人情報が漏れたときの報告と通知速報3〜5日・確報30日

参考にした資料

  1. 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」3-5
  2. 個人情報保護委員会「漏えい等の対応とお役立ち資料」
  3. 個人情報保護委員会「本システムの利用について」(漏えい等報告フォーム)
  4. 警察庁「サイバー事案に関する相談窓口」