Moshiru

会社のセキュリティ教科書 第4部 4-18

会社のパソコン・スマホをなくしたら|最初にやることと、なくす前の備え

公開:2026年10月14日/最終更新:2026年10月14日/Moshiru 岡﨑 悠太

この手引きの要点(約25秒・音が出ます)

こんなときに役立ちます

  • オフィスの入退室や書類・パソコンの廃棄のルールを決めるとき

読み終えたあと、社内でこう言えます

「パソコンをなくしたときの最初の4つの手順を、1枚にまとめておきました」

結論:なくしたと気づいたら、①社内の責任者に知らせる、②遠隔でロックする、③メールやクラウドのパスワードを変える、④警察に遺失届を出すの順に動きます。消去は、見つかる見込みがなくなったときの最後の手段です。

消去するかどうか
見つかる見込みはある?
あるロックと位置の確認
なくなった消去(最後の手段)

顧客や従業員の個人情報が入っていた場合は、個人情報保護委員会への報告が必要になることがあります。備えとしては、ディスクの暗号化と画面ロック、「探す」機能をオンにしておくことの3つが効きます。

なくしたときの初動
1知らせる社内の責任者にすぐ伝える
2ロック「探す」機能で遠隔ロック
3パスワードメール・クラウドを変える
4届け出る警察に遺失届個人情報も確認

消去は、見つからないときの最後の手段

気づいたらすぐやること

  1. 責任者に知らせる:いつ、どこで、何を(機種・会社の管理番号)なくしたか。中に何が入っていたか。個人で抱え込まず、まず伝えます。
責任者に伝えること
  • いつ・どこでなくしたか
  • 何を(機種・会社の管理番号)
  • 中に何が入っていたか
  1. 場所を確かめ、ロックする:下の表の「探す」機能で、位置の確認とロックをします。会社で端末管理(MDM)を使っていれば、管理者がその画面から行えます。
  2. パスワードを変える:その端末でログインしたままのメール、クラウドストレージ、チャット、会計ソフトなど。管理画面から、その端末のログイン状態を切れるサービスもあります。
パスワードを変えるもの
1メール
2クラウドストレージ
3チャット
4会計ソフト

その端末でログインしたままのもの

  1. 警察に届ける:落とした場合は遺失届を出します。東京都では警視庁のオンライン手続きからも届け出られます。盗まれた可能性があるときは、警察署に相談してください。
  2. スマホは通信会社にも連絡する:回線の利用を止められます。

機種ごとの遠隔ロック・消去

機種使う機能注意
WindowsMicrosoftアカウントの「デバイスの検索」(account.microsoft.com/devices)からロック個人用のMicrosoftアカウントでサインインし、事前に「デバイスの検索」をオンにしていた場合に使えます。会社が管理ツール(Microsoft Intuneなど)に登録している端末は、管理者が遠隔で初期化(ワイプ)できます
iPhone・Mac「探す」で「紛失としてマーク」(紛失モード)遠隔での消去は、Appleアカウントの2ファクタ認証が有効でないとできない
AndroidGoogleの「Find Hub」で「紛失としてマーク」消去すると、その後は場所を探せなくなる

どの機能も、端末の電源が入り、ネットにつながっていることが前提です。画面の名前は変わることがあります。消去は元に戻せないため、ロックと位置の確認を試してから判断します。

ロックが先、消去はあと
  1. 1ロックする位置も確かめる
  2. 2消去を判断する元に戻せない

どれも電源が入り、ネットにつながっていることが前提

個人情報が入っていた場合

なくした端末に顧客名簿や従業員の情報が入っていたら、漏えいの「おそれ」として扱います。次のどれかに当たると、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が必要です。

報告と通知が必要になるとき
  • 要配慮個人情報が含まれる
  • お金の被害が出るおそれ
  • 不正の目的によるおそれ
  • 本人が1,000人を超える

どれか1つに当たれば必要

ただし、データが高度に暗号化されているなど、本人の権利を守る措置があれば報告はいりません。暗号化しておくかどうかで、なくしたあとの対応の重さが変わります。期限と報告の方法は、個人情報が漏れたときの報告と通知にまとめています。

暗号化で対応の重さが変わる

暗号化なし

  • ×報告と通知が必要になる

高度に暗号化

  • ○報告はいらない

なくす前の備え

  1. 暗号化する:WindowsはBitLocker(またはデバイスの暗号化)、MacはFileVaultを有効にします。回復キーは、端末とは別の場所に保管します。
  2. 画面ロックをかける:パソコンもスマホも、短い時間で自動ロックし、パスコードを必須にします。
  3. 「探す」機能をオンにする:なくしてからでは設定できません。
効く備えの3つ
1暗号化BitLocker・FileVault
2画面ロック自動ロックとパスコード
3「探す」をオンなくしてからでは設定できない
  1. 端末の一覧を作る:機種、管理番号、使う人、シリアル番号を表にしておくと、届出や通信会社への連絡が早くなります。
端末の一覧に書くこと
  • 機種
  • 管理番号
  • 使う人
  • シリアル番号
  1. データを端末に溜めない:ファイルはクラウドに置き、端末には残さない運用にすると、なくしたときの影響が小さくなります。
  2. 多要素認証を入れる:パスワードを知られても、すぐにはログインされにくくなります。

よくある質問

私物のスマホで会社のメールを見ていた場合は?
会社のアカウントのパスワードを変え、その端末のログイン状態を切ります。私物の端末そのもののロックは、本人に「探す」機能で行ってもらいます。
すぐに見つかった場合も、何かする必要はありますか?
誰かが操作した様子がないか、メールやクラウドのログイン履歴を確かめます。不安が残る場合は、パスワードを変えておきます。

社内に配っておける初動対応ガイドと、机に貼る初動カード(PDF・無料)もあります。経済産業省SCS評価制度★3の「インシデント対応手順」と個人情報保護委員会のガイドラインに沿っています。

仕分けは任せて、手順書どおりに片づける

Moshiruのアカウント棚卸しパックは、Google WorkspaceやMicrosoft 365の一覧から、退職者のアカウント、持ちすぎた管理者権限、2段階認証の未設定を仕分け、手順書を付けてお返しします。100人まで5万円(税別)、こちらから御社の環境にログインすることはありません。

アカウント棚卸しパックを見る100人まで5万円個人情報が漏れたときの報告速報3〜5日・確報30日

参考にした資料

  1. Microsoft「紛失した Windows デバイスを検索してロックする」
  2. Microsoft Learn「Intuneでデバイスをワイプする」
  3. 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」3-5
  4. Microsoft「Find and lock a lost Windows PC」
  5. Apple「紛失したApple製デバイスやAirTagを「探す」を使って探す」
  6. Google「紛失した Android デバイスの位置の特定、保護、データ消去を行う」
  7. 警視庁「行政手続オンライン(遺失物関係)」