セキュリティの手引き
VPN機器・リモートデスクトップの点検手順|中小企業が自社でできる7つの確認
公開:2026年10月13日/最終更新:2026年10月13日/Moshiru 岡﨑 悠太
結論:VPN機器とリモートデスクトップは、社外から社内に入る「玄関」です。機器を一覧にし、ソフトを最新にし、使っていないアカウントを消し、多要素認証を入れる。ここまでは専門の担当者がいなくても進められます。警察庁の2025年の統計では、ランサムウェアの侵入経路の6割以上がVPN機器でした。
自社でできる7つの確認
1. 入口の機器を一覧にする
VPN機器、ルーター、ファイアウォールなど、社外とつながる機器の機種名・設置場所・管理している会社を書き出します。ネットワークを作った会社やリース会社の書類に書かれていることが多いです。
2. ソフト(ファームウェア)を最新にする
機器のメーカーのサイトで、使っている機種の最新版と、脆弱性のお知らせが出ていないかを確かめます。JPCERT/CCの注意喚起にも、よく狙われる機器の情報が載ります。
3. 脆弱性のお知らせが出ていた機種なら、パスワードも変える
更新する前に、ログインの情報が盗まれている場合があります。更新したあとに、VPNのアカウントのパスワードを変えておくと安心です。
4. 使っていないアカウントを消す
辞めた人、昔の保守会社、テスト用のアカウントが残っていないかを見ます。残すものは「誰の、何のためのものか」を一覧にします。
5. 多要素認証を入れる
VPNにログインするとき、パスワードに加えてスマホなどで確認する設定です。機器によっては追加の契約が必要です。
6. リモートデスクトップを社外に直接さらさない
社外からパソコンを遠隔操作する仕組みを、インターネットから直接つなげる状態にしていないか確かめます。使うならVPNの内側から使う形にします。
7. ログイン記録を見られるようにする
いつ、どこからログインがあったかを機器の管理画面で見られるか確かめます。夜中や海外からのログインに気づけるだけでも違います。
自社でやること、頼むこと
| 確認 | 自社で | 頼む先 |
| 1・4・7(一覧・アカウント・記録) | ○ | — |
| 2・3(更新・パスワード) | △ | 機器の保守会社 |
| 5・6(多要素認証・リモートデスクトップ) | △ | ネットワークを作った会社 |
外から入口を調べる診断(プラットフォーム診断)もありますが、行ってよいのは機器とネットワークの管理者が許可した範囲だけです。機器を借りている場合は、貸している会社の許可も必要です。
よくある質問
保守会社に任せているので大丈夫ですか?
契約に「ソフトの更新」が含まれているか、最後にいつ更新したかを保守会社に聞いてください。含まれていない契約も少なくありません。※推測
VPNをやめれば安全ですか?
入口が1つ減るのは確かです。ただ、在宅勤務などで代わりの手段が必要なら、クラウドサービスの多要素認証など、別の守りを用意してから切り替えてください。
参考にした資料
- 警察庁サイバー警察局「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(2026年3月)
- JPCERT/CC 注意喚起
- IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」