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社内セキュリティ点検のやり方|年1回、やりがち24項目を10分で記録まで

公開:2026年10月16日/最終更新:同/Moshiru 岡﨑 悠太

こんなときに役立ちます

  • 取引先から「点検の記録」を求められたとき
  • 上司に「年1回くらいは点検しておいて」と言われたとき
  • SCS評価制度の★3に向けて、毎年の点検の段取りを決めたいとき

読み終えたあと、社内でこう言えます

「24項目で年1回の点検をして、記録と担当・期限をまとめました」

結論:年1回の社内セキュリティ点検とは、体制・ルール・設定が崩れていないかを年に1度まとめて確かめることです。やりがち点検シートの24項目に印を付ければ10分で終わります。印の付いた項目は3つに分けて担当と期限を決め、点検日・基準・結果を1枚に残します。

年1回の点検は、日を決める・印を付ける・3つに分ける・記録して報告するの4つで回す

担当者のあなたにとって

困ることこの記事で
「点検の記録を出して」と言われても、何を残せばいいか分からない記録の1枚のひな形を、そのまま写して使えます
点検の項目を自分で考えると、「根拠は?」と聞かれて困る全項目に★3の番号が付いたシートを使うので、基準として出せます
見つかった不備を、全部一人で直すことになる3つに分けるので、自分で抱えるのは「自分でできる」項目だけです
上司への報告の書き方に迷う報告文の例を、数字を入れ替えて使えます

点検そのものは10分です。手間がかかるのは前後の段取りなので、この記事はそこを埋めます。

なぜ年1回なのか

経済産業省のSCS評価制度の★3の評価基準(IPA公表、2026年3月27日版)には、「年1回以上の頻度で点検すること」という基準がいくつもあります。主なものは次のとおりです。

評価基準No.年1回以上点検するものシートの近い項目
1-2-1-3平時の体制(役割・責任、連絡先)No.1
2-1-1-2取引先のシステムとのつながりの把握—
3-1-1-4機器・ソフトの管理ルールが守られているかNo.5
3-1-4-2機密区分に応じた管理ルールの中身No.7
4-2-2-3事故時の対応の教育・訓練の中身No.15
6-1-1-4事故が起きたときの体制(連絡先、役割・責任)No.24

★3は有効期間が1年です。登録の中身が変わらなくても、期限の前に自己評価の更新版を出す決まりです(IPA「基本規程」、2026年8月28日施行)。

★3と年1回
1年★3の有効期間期限前に更新版を出す
年1回以上点検の基準体制・ルール・事故対応

IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版も、点検の結果を経営者に報告し、是正が終わるまで追うよう求めています。回数は「定期的に」とされ、決まっていません。★3の中身はSCS評価制度の★3とはにまとめています。

月1回の点検との分け方

毎月の点検と年1回の点検は、見るものが違います。

月1回と年1回

月1回

  • ×崩れやすい10項目
  • ×更新・退職者・共有リンク
  • ×管理画面で証拠を見る

年1回

  • ○24項目で全体を見る
  • ○体制・取引先・事故対応
  • ○担当と期限を決め直す

月1回の10項目と確かめ方は、月1回のセルフチェックにまとめています。この記事では、年1回の点検の段取りと記録だけを扱います。毎月の点検をまだしていなくても、年1回の点検から始めて構いません。

年1回の点検の手順

当日の作業は10分です。前後の段取りを含めると、流れは次の5つです。

年1回の点検の流れ
  1. 1日を決める毎年同じ月
  2. 2印を付ける24項目・10分
  3. 33つに分ける誰がやるか
  4. 4担当と期限上司が決める
  5. 5記録して報告1枚に残す
  1. 日を決める:決算のあとなど、毎年同じ月に固定して予定表に入れます。★3を取る会社は、有効期限より前に置きます。
  2. 印を付ける:シートを印刷し、当てはまる項目に印を付けます。分からない項目も、当てはまるとして印を付けます。
24項目の内訳
8自分でできる今週中に片づける
10社内で決める上司が担当と期限を
6専門家向き外に任せる
  1. 3つに分ける:印の付いた項目を、シートの「誰がやるか」の欄で分けます。
  2. 担当と期限を決める:自分でできる項目は、今週中に片づけます。社内で決める項目は、シートを上司に見せて担当と期限を決めてもらいます。
区分シートの項目No.次の一手
自分でできる5・7・8・11・12・14・18・20今週中に、印の付いたものから片づける
社内で決める1〜4・6・9・15・17・19・24上司に担当と期限を決めてもらう
専門家向き10・13・16・21〜23調べ切ろうとせず、外に任せるか上司に判断してもらう
  1. 記録して報告する:点検日・基準・結果を1枚に残し、上司に報告します。書き方は次の章にまとめました。

印の数で良し悪しは決めません。翌年は、去年の印が減ったか、去年決めた期限が守られたかを見ます。そうすると1年の変化が分かります。

点検のあとの動き
  1. 当日印を付ける24項目・10分
  2. 今週中自分でできる項目設定の変更や整理
  3. 翌年去年と比べる印の数と期限

記録の残し方

取引先が知りたいのは、点検したかどうかと、見つかった不備をどうしたかです。記録には次の項目を残します。

記録に残すこと
  • 点検日と点検した人
  • 使った基準とその版
  • 印の付いた項目の番号
  • 項目ごとの担当と期限
  • 上司に報告した日
  • 去年の不備のその後

次のひな形を、そのまま写して使えます。

【社内セキュリティ点検の記録】
点検日:20XX年X月X日/点検者:〇〇(総務)
使った基準:社内セキュリティ やりがち点検シート
(SCS評価制度★3 要求事項・評価基準 2026年3月27日版に沿った24項目)

■ 結果
印の付いた項目:〇項目
(自分でできる〇/社内で決める〇/専門家向き〇)

■ 対応
・No.8 退職者のアカウント → 〇〇が〇月〇日までに削除(済)
・No.24 事故時の報告先 → 〇〇が〇月〇日までに決める
・No.16 バックアップの置き場所 → 外部に頼むかを〇月〇日に判断

■ 去年の不備のその後
・No.〇 → 〇月〇日に完了

■ 報告
〇月〇日に代表へ報告。指示:〇〇

印を付けたシートも、記録と一緒に保管します。直した項目には、直した日と、確かめた画面や台帳の名前を書き足します。

上司への報告と、取引先への答え方

報告は、結果の数、自分で直すもの、決めてほしいものの順に書くと、上司が判断しやすくなります。

件名:年1回のセキュリティ点検の結果(20XX年X月)

〇〇さん
年1回のセキュリティ点検を、24項目のシートで行いました。
印の付いた項目は〇項目でした。
・自分でできる〇項目:〇月〇日までに私が対応します
・社内で決める〇項目:担当と期限を決めていただきたいです
・専門家向き〇項目:外部に頼むかをご判断ください
記録と、印を付けたシートを添付します。

取引先のチェックシートで点検について聞かれたら、点検の時期・基準・報告先を書きます。

よくある設問答え方の例
情報セキュリティ対策の実施状況を、定期的に点検していますか。はい。年1回、SCS評価制度★3の要求事項に沿った24項目で自己点検し、結果を代表に報告しています。直近は20XX年X月です。
点検で見つかった不備に、どう対応していますか。項目ごとに担当と期限を決め、翌年の点検で完了を確かめています。

直し終わっていない項目は、隠さずに「対応中」と期限を書きます。このシートの点検は、★3の取得や適合を示すものではありません。「★3に沿った項目で自己点検している」とだけ書き、「★3に適合」とは書かないでください。

答えに何を書くか
直していない項目が残っている?
はい「対応中」と期限を書く
いいえ点検の時期と基準を書く

年1回の点検でつまずきやすい所

点検が形だけになる原因は、たいてい次の4つです。

点検のやりがち

やりがち

  • ×分からない所を空欄にする
  • ×印の数で良し悪しを決める
  • ×全部一人で直そうとする
  • ×記録を残さない

こうする

  • ○分からなくても印を付ける
  • ○去年と比べる
  • ○3つに分けて渡す
  • ○1枚に残して報告する

よくあるのは、分からない項目を空欄のままにすることです。空欄は「問題なし」と読まれます。印を付けておけば、専門家に聞く項目として次につながります。

もう一つは、担当者が一人で全部を抱えることです。社内で決める10項目は、担当者だけでは決められません。抱えたままだと直す順番が決まらず、翌年も同じ所に印が付きます。

一人で抱えると
一人で抱える決める人がいない
順番が決まらない期限も決まらない
その結果翌年も同じ所に印

上司に渡すことは、手を抜くことではありません。決める人に渡すことが、そのまま次の一手になります。

よくある質問

年1回という回数は、どこかで決まっていますか?
IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」は「定期的に」としていて、回数は決めていません。SCS評価制度の★3の評価基準には「年1回以上」の点検がいくつもあるので、年1回を目安にすると、★3を目指すときにもそのまま使えます。
IPAの「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」とどちらを使えばいいですか?
どちらも年1回の点検に使えます。IPAのガイドラインは、点検の基準の例として自社診断を挙げています。取引先に★3との関係を聞かれそうなら、★3の番号が付いたやりがち点検シートのほうが説明しやすいです。
シートの★3の番号は、この先変わりますか?
変わることがあります。IPAは★3・★4の要求事項・評価基準の解説書を、2026年10月頃に公開する予定としています。Moshiruは公表後に設問と番号を見直し、改訂版ができたら配布キットのページでお知らせします。

この記事のまとめ

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  1. 次の場面:取引先に聞かれたセキュリティ教育の記録の残し方と回答例取引先に社員教育の実施を聞かれたとき。回答例3通りと受講記録の表
  2. 同じ場面・BPO・人材委託先のセキュリティを確かめる方法取引先に聞くべき質問20と、チェックシートの作り方(発注側向け)。
  3. 教科書で仕組みから(6-10)監査と内部統制監査・内部監査・自己点検の違いを知り、小さな会社でも内部監査を始められるようにする

点検のあとの回答づくりまで、一人で抱えない

Moshiruは、打合せなしでテキストだけでお受けします。やりがち点検シートは無料でお配りしています。取引先からチェックシートが届いたら、点検の結果をもとに回答を作ってお返しします。

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参考にした資料

  1. IPA「SCS評価制度 ★3・★4 要求事項・評価基準」(2026年3月27日版)
  2. IPA「SCS-100 基本規程」(2026年8月28日施行)3.1.2
  3. IPA「SCS評価制度 要求事項・評価基準」(2026年4月21日更新)
  4. IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版(2026年3月)第2部「点検と改善」