「バックアップを取得し、復元の手順を定めていますか」の答え方|確認先・回答例・証拠の例
公開:2026年10月18日/最終更新:2026年10月18日/Moshiru 岡﨑 悠太
こんなときに役立ちます
- 取引先から届いたチェックシートに、この設問があったとき
- 社内の誰に、何を確かめればよいか分からないとき
読み終えたあと、社内でこう言えます
「確認先に文面を送りました。回答は実態に合わせて、足りないところは予定と一緒に書きます」
この設問は何を聞いているか:データのバックアップを決まった頻度で取っていて、いざというときに戻せるか、を聞いています。★3では、対象・頻度・保管期間を決めて取得し、重要な機密情報は離れた場所にも保管し、対象ごとに復元の手順書を用意することが求められます。
ここまでやれば答えられます:確認先に下の文面を送って実態を確かめ、バックアップの対象・頻度・保管期間の一覧のような記録を1つ用意できれば、「はい」か「一部」で具体的に答えられます。足りないところは「いつまでに何をするか」を書けば十分です。
取引先に対策を求める大企業は88.2%、求められた中小企業の43.2%にできていない対策がある、という調査があります(ミツモア、2026年10月)。回答期日は2〜3営業日が最も多く、1週間以内が76%です(SecureNavi社、2026年2月発表)。できていない項目があるのは珍しくありません。短い期日でも、確認先を先に決めれば間に合います。
社内の誰に確認すればよいか
サーバやクラウドの管理をしている社員か保守業者に確認します。下の文面は、そのまま送れるように書いています。【 】の部分を置き換えてください。
件名:バックアップの状況の確認のお願い
【保守業者名】ご担当者様
いつもお世話になっております。【会社名】の【氏名】です。
取引先からセキュリティのチェックシートが届き、次の点を確認しています。
■当社のどのデータを、どの頻度でバックアップしているか
■保管期間と保管場所(社内か、離れた場所・クラウドか)
■復元の手順書があるか、直近で復元を試したのはいつか
【期日】までに分かる範囲で教えていただけると助かります。
回答例(はい/一部/いいえ)
書き方の例です。御社の実態に合わせて書き換えてください。実態と違う内容を写すことはしないでください。
| 回答 | 回答例 |
| はい | 「バックアップの対象・頻度・保管期間を定め、毎日取得している。重要な機密情報は遠隔地(クラウド)にも保管し、対象ごとに復元手順書を整備している。年1回、復元の試験を行っている。」 |
| 一部 | 「業務データは毎日バックアップしているが、保管先は社内のみで、復元手順書は未整備。【年月】までにクラウドへの保管と手順書の作成を行う予定。」 |
| いいえ | 「バックアップの運用は未整備。【年月】までに対象と頻度を定めて取得を始める予定。」 |
「いいえ」のときは、どう書けばよいか
ランサムウェアの被害では、バックアップごと暗号化されることがあります。「社内だけ」の場合は、離れた場所への保管の予定を書いておくと、取引先の不安に答えられます。「検討中」だけで終わらせず、いつまでに何をするかと、それまでの代わりの対策を書くと、取引先は判断しやすくなります。
証拠を求められたら、何を出せばよいか
- バックアップの対象・頻度・保管期間の一覧
- 復元手順書
- 復元を試した日の記録
パスワードや、管理画面のURLが写った部分は消してから出してください。
SCS評価制度の★3では、どう求められているか
★3に入る項目です。この設問は、★3の要求事項「4-3-4 適切なバックアップ」にあたります。評価基準は3項目です(IPA公開のExcelの原文)。
- 取得対象、取得頻度及び保管期間を定めて自社で取り扱うデータのバックアップを取得すること。(4-3-4-1)
- 重要な機密情報については、No.4-3-4-1におけるバックアップに加えて、遠隔地バックアップを実施すること。(4-3-4-2)
- バックアップ対象ごとにリストア手順書を整備すること。(4-3-4-3)
くわしくは、ランサムウェアに負けないバックアップの置き方にまとめています。
参考にした資料
- IPA「要求事項・評価基準」(★3・★4要求事項・評価基準のExcel、2026年4月21日公開)
- LOGISTICS TODAY「中小企業、取引条件のセキュリティー対策に遅れ」(2026年10月8日。ミツモアの調査)
- ScanNetSecurity「76%が『1 週間以内に回答』~ セキュリティチェックシートの理想と現実」(2026年3月4日。SecureNavi株式会社の調査)