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セキュリティの手引き

中小企業のセキュリティ事故ランキングと原因|IPA「10大脅威2026」と被害の実態

公開:2026年10月14日/最終更新:2026年10月14日/Moshiru 岡﨑 悠太

結論:IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」(組織編)の1位はランサム攻撃、2位はサプライチェーンや委託先を狙った攻撃です。警察庁の令和7年の統計では、ランサムウェアの被害226件のうち中小企業が143件(約6割)で、侵入の入口はVPN機器とリモートデスクトップが92件中80件でした。中小企業がまず手を付けるのは、入口の更新、パスワードと多要素認証、退職者のアカウント整理の3つです。

中小企業の事故の原因を、入口(VPN・リモートデスクトップ)、人(メール・パスワード)、設定・管理(退職者・クラウド)、取引先への影響の4つに分けた図

IPA「10大脅威2026」組織編の順位

IPAが2026年1月29日に公表した「情報セキュリティ10大脅威 2026」の組織編です。右の2列は、中小企業での起き方と、最初にやる対策をMoshiruがまとめたものです。

順位脅威中小企業での起き方まずやる対策
1ランサム攻撃による被害VPN機器から入られ、サーバーとバックアップが暗号化されるVPN機器の更新、切り離したバックアップ
2サプライチェーンや委託先を狙った攻撃自社が踏み台になり、取引先に被害が広がる委託先と自社の対策を書面で確かめる
3AIの利用をめぐるサイバーリスク(初選出)生成AIに社外秘や個人情報を入力してしまう入力してよい情報を決めて周知する
4システムの脆弱性を悪用した攻撃古いWordPressや機器の弱点を突かれる更新の担当と頻度を決める
5機密情報を狙った標的型攻撃取引先を装ったメールの添付から感染する開いたときの報告先を決める
6地政学的リスクに起因するサイバー攻撃(情報戦を含む)海外拠点や取引先経由で巻き込まれる海外とつながる機器を把握する
7内部不正による情報漏えい等退職者のアカウントが残り、持ち出される退職日にアカウントを止める
8リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃リモートデスクトップを外に開けたまま使う外から直接つながる口を閉じる
9DDoS攻撃(分散型サービス妨害攻撃)予約・通販サイトが見られなくなるサーバー会社の防御機能を確かめる
10ビジネスメール詐欺「振込先が変わった」というメールで送金する口座変更は電話で確かめる

中小企業で実際に多い被害(数字で見る)

原因は3つに分けると手を付けやすい

入口:VPN・リモートデスクトップ

ランサムウェアの多くは、インターネットに開いている機器から入ってきます。警察庁は、未修正の脆弱性、漏れたID・パスワードや簡単なパスワード、設定不備が悪用されるとしています。機器の型番と更新状況はVPN機器・リモートデスクトップの点検手順で点検できます。

人:メール・パスワード

標的型攻撃やビジネスメール詐欺は、メールの1回のクリックや送金から始まります。開いてしまったときの動き方は不審なメールを開いてしまったら、パスワードの決め方は会社のパスワードのルールの決め方にまとめています。

設定・管理:退職者・クラウドの設定

退職者のアカウントが残っている、共有リンクが誰でも見られる、といった管理の漏れも原因になります。退職者のアカウントを棚卸しする手順、クラウドが止まったときの備え、バックアップの置き方を順に見てください。

まずやる順番(今月中にできる5つ)

  1. 外から入れる口を書き出す:VPN、リモートデスクトップ、管理画面のURLを一覧にします。
  2. その機器を最新にする:メーカーのお知らせを見て、更新を当てます。
  3. 多要素認証を入れる:VPN、メール、クラウドの管理者から先に設定します。
  4. 退職者と使っていないアカウントを止める。
  5. バックアップを1つ切り離す:戻せるかを一度試します。

事故が起きたときにかかる費用は、対策をしなかった場合の損失で数字にしています。

よくある質問

うちのような小さい会社も狙われますか?
警察庁の令和7年の統計では、ランサムウェアの被害の約6割が中小企業でした。攻撃者は規模より「入れる隙」を探しているとされています。
メール対策より入口の対策が先ですか?
ランサムウェアに限れば、警察庁の回答92件のうちメールからの感染は2件でした。ただしIPAの調査ではID・パスワードの盗難も多いため、入口の更新と多要素認証を同時に進めてください。
どこから手を付けたらいいか分かりません。
社長に「うちは大丈夫?」と聞かれたらで、自社の状況を順に確かめられます。

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参考にした資料

  1. IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」(2026年1月)
  2. IPA「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査報告書」(2025年5月)
  3. IPA「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策の実態調査」速報版(2025年2月)
  4. 警察庁サイバー警察局「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(2026年3月)
  5. 警察庁サイバー警察局「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(2026年9月)