Moshiru

情報処理安全確保支援士試験(SC)の手引き|SGの次に目指す人の範囲と登録の費用

公開:2026年10月16日/最終更新:同/Moshiru 岡﨑 悠太

こんなときに役立ちます

  • SGに合格し、次に何を目指すか上司と話すとき
  • 支援士に合格したあと、登録するかどうかを費用で決めたいとき
  • SCS評価制度の★3で、確認役の専門家をどうするか考えるとき

読み終えたあと、社内でこう言えます

「支援士の形式と登録の費用を公式で確かめ、受ける時期を決めました」

結論:情報処理安全確保支援士試験(SC)は、組織のセキュリティ対策を指導・助言する人向けの国家試験です。2026年度はCBT方式で、受験手数料は7,500円(非課税)です。合格して登録すると「登録セキスペ」を名乗れ、3年ごとの更新と毎年の講習が義務になります。現行の制度は2026年度で終わり、2027年度夏頃〜秋頃から新しい制度で続く予定です。

SCの形式(2026年度)
3科目A-1・A-2・B科目A群とBは別日
60点合格基準各科目100点満点
7,500円受験手数料非課税

2026年10月16日にIPAの公式ページで確認

担当者のあなたにとって、この記事で何が決まるか

支援士は、勉強の量も、合格後の費用も小さくありません。受ける前に、何が手に入り、何が義務になるかを知っておくと判断しやすくなります。

困ることこの記事で
SGの次に何を目指すか決められないSGとの違いと、支援士が向く人が分かる
今年受けるか、新制度を待つか迷う受ける時期ごとに、どちらの範囲かが分かる
登録の費用を上司に説明できない登録と講習の金額を、公式の数字で示せる
範囲が広く、どこから読むか分からない科目Bの大項目と教科書の節の対応表を使える

SGの範囲と勉強の順番は、情報セキュリティマネジメント試験(SG)の手引きにまとめています。この記事は、その次の段階に絞ります。

SGとSCの違い

SG

  • 1利用部門で安全を保つ人
  • 1共通キャリア・レベル2相当
  • 1科目AとBを1回で

SC

  • 2対策を指導・助言する人
  • 2レベル4の前提要件
  • 2合格後に登録できる

この試験は何を証明するか・誰向けか

支援士試験は、IPA(情報処理推進機構)が行う国家試験です。試験要綱は対象者を、安全な情報システムの企画から運用までを支援し、対策の評価にもとづいて指導・助言する人としています。

試験要綱でのレベルは、共通キャリア・スキルフレームワークの「テクニカルスペシャリストのレベル4の前提要件」です。SGは「レベル2に相当」なので、2段上の試験です。

支援士の4つの役割
1マネジメント方針・リスク・規程
2開発の安全調達・設計・テスト
3利用の対策暗号・マルウェア・脆弱性
4インシデント体制・対応・証拠

試験要綱Ver.5.6の「業務と役割」から

中小企業の兼任の担当者にとっては、規程やリスクの考え方に加え、ネットワークや開発の言葉まで身につける試験です。社外のベンダーと対等に話せる土台になります。

一方で、合格だけでは「登録セキスペ」は名乗れません。登録の申請をして初めて資格名称を使えます。登録していない人が名乗ると、法律の罰則の対象です。

合格から名乗るまで
  1. 1試験に合格科目A群とBの両方
  2. 2登録を申請2月15日か8月15日まで
  3. 3登録される4月1日か10月1日
  4. 4名乗れる登録番号を添えて

試験の形式と、2027年度からの新制度

2026年度の試験は、CBT方式で前期と後期に行われます。もとになるのは、2026年10月の試験から適用の試験要綱Ver.5.6です。形式は下の表のとおりです。

科目時間形式
科目A-1(共通知識)50分四肢択一30問(高度試験と共通)
科目A-2(専門知識)40分四肢択一25問
科目B150分記述式。4問から2問を選んで解答
合格基準—各科目60点以上(100点満点)
受験手数料—7,500円(非課税)

科目A群と科目Bは別の日に受けます。科目A-1・A-2のどちらかが基準点に届かないと、科目Bは採点されません。科目A-1は、応用情報技術者試験の合格などで2年間免除になります。

2026年度の日程
  1. 10/6〜24前期の申込10月24日17時まで
  2. 10/17〜27前期 科目A群期間内に予約した日
  3. 11/11〜23前期 科目BA群と別の日
  4. 2027/2〜3後期A群2/20〜3/2、B3/16〜28

後期の申込は2027年1月27日〜2月27日

現行の制度は、2026年度の試験で終わる予定です。新しい制度の支援士試験は、2027年度の夏頃から秋頃に始まる予定と公表されています。

IPAの検討状況のページでは、時間と出題数は科目A-1が45分30問、A-2が35分25問、科目Bが120分12問です。科目Bは出題の形式も変わる予定です。

現行と新制度(案)

2026年度まで

  • 1A-1 50分・A-2 40分
  • 1B 150分・記述式
  • 1シラバスVer.2.1

2027年度から(案)

  • 2A-1 45分・A-2 35分
  • 2B 120分・12問
  • 2シラバス案Ver.0.1

新制度は検討中で、変わる可能性あり

2026年8月31日に、新制度のシラバス案Ver.0.1と科目Bのサンプル問題が掲載されました。科目Bの大項目4つの枠は同じで、小項目は30から31になります。

変わる所は、マネジメントの強化です。「セキュリティ運用状況の点検」が加わり、人的管理・サプライチェーン・コンプライアンスが大項目1に移ります。「バックアップ」は「データ保護」になります。

どちらの範囲で学ぶか
2027年3月までに受ける?
はい現行のシラバスVer.2.1と要綱Ver.5.6
いいえ新制度の案。最新版をIPAで確認

合格後の登録と更新、SCS評価制度★3との関係

登録すると、名刺や文書に資格名称を登録番号つきで書けます。その代わり、秘密保持や講習の受講などの義務を負います。費用は下の表のとおりです。

いつ何に金額(IPA公式)
登録のとき登録免許税と登録手数料9,000円+10,700円
毎年1回オンライン講習20,000円(非課税)
3年に1回実践講習(IPAか民間から1つ)IPAの実践講習A〜Cは8万円(非課税)
3年ごと登録の更新更新手数料はかからない

IPAの実践講習を選んだ場合、3年間の講習代は、オンライン講習3回とあわせて14万円です(公式の金額からの計算)。民間の実践講習は、講習ごとに金額が違います。

3年間の講習代の内訳
オンライン講習2万円×3回=6万円
IPAの実践講習8万円×1回

登録時の1万9,700円は別。会社負担かを先に相談

更新は、登録日か更新日から3年です。更新の申請は期限の60日前までで、それまでに講習をすべて終えている必要があります。

経済産業省などが準備しているSCS評価制度では、★3は「専門家確認付き自己評価」です。会社の自己評価を、セキュリティ専門家が確かめて署名します。

★3の評価の流れ
  1. 1自己評価を書く会社が要求事項に沿って
  2. 2専門家が確認必要なら修正を助言
  3. 3専門家が署名内容を了承したら
  4. 4事務局に提出経営層の宣誓とともに

2026年5月29日更新のIPAのページから

専門家になれる資格の1つが、支援士です。ほかに公認情報セキュリティ監査人、CISSP、CISM、CISA、ISO27001主任審査員が挙がっています。

資格に加えて、制度の研修を受け、事務局に登録する必要があります。支援士の場合は、毎年のオンライン講習と3年に1回の実践講習で力量を保つ、とされています。

★3の専門家の条件
  • 対象の資格を持っている
  • 資格を維持している
  • 制度の研修を受けた
  • 事務局に登録した

制度の運用開始は2026年度下期以降の想定

社内に専門家がいなければ、社外の専門家に確認を頼めます。研修事業者の要件は2026年12月末頃に公表予定で、細かい手続きはまだ決まっていません。★3の準備はSCS評価制度★3の準備の手引きにまとめています。

出題範囲と教科書の対応

科目Bの範囲は、シラバスVer.2.1の4つの大項目です。教科書の116節のうち109節に支援士のタグを付けています。主な対応は下の表です。

大項目(現行Ver.2.1)主な小項目教科書の節
1 情報セキュリティマネジメントの推進又は支援方針、リスクアセスメント、リスク対応、諸規程、監査、動向、関係者(1-1〜1-7)6-1 ポリシー、5-3 リスクアセスメント、5-4 リスク対応、6-10 監査、11-1 最近の事故、9-8 相談先
2 システムの企画・設計・開発・運用でのセキュリティ確保要件定義、セキュアな導入、設計、実装、セキュアプログラミング、テスト、運用、開発環境(2-1〜2-8)12-1 セキュアな設計・開発、4-8 Webサイトの守り方、2-11 Webへの攻撃②、4-14 脆弱性診断
3 利用におけるセキュリティ対策の適用暗号、マルウェア、バックアップ、監視とログ、ネットワーク、脆弱性、物理、アカウント、人的管理、サプライチェーン、コンプライアンス(3-1〜3-11)3-1 暗号、7-4 マルウェア対策、7-3 バックアップ、4-12 ログ、4-13 脆弱性管理、7-1 アカウント、8-5 サプライチェーン、10-1 個人情報保護法
4 情報セキュリティインシデント管理の推進又は支援管理体制、事象の評価、対応、証拠の収集と分析(4-1〜4-4)9-7 CSIRT、9-1 インシデントの流れ、9-3 原因の切り分け、9-4 証拠保全

科目A-2の重点分野は、セキュリティとネットワーク(技術レベル4)です。教科書では第2部〜第4部が中心です。科目A-1の共通知識は、IT全般に広がるため教科書の外になります。

科目と教科書の部
A-1共通知識教科書の外。公式教材で
A-2専門知識第2〜4部が中心
B記述式第5〜9部と第12部

節を支援士の範囲だけに絞って並べたのが、スキルツリーtree-sc.htmlです。読んだ節に印が付き、受講記録を印刷できます。

勉強の順番

教科書は範囲の入口です。教科書だけで合格できるとは考えず、公式の資料や問題集と組み合わせてください。おすすめの順番は次のとおりです。

教材の組み合わせ
1要綱・シラバス範囲の正本。IPAで
2教科書の節範囲の入口。仕事の言葉で
3公式の問題記述式の練習に
  1. 受ける回の試験要綱とシラバスの版を、IPAのサイトで確かめる
  2. 確認テストtest-sc.htmlを一度受け、弱い部を知る
  3. 第5・6部で、リスクと規程の考え方を固める
  4. 第2〜4部で、攻撃と技術の言葉を押さえる
  5. 第7〜9部を、科目Bの大項目3・4と照らして読む
  6. 記述式は、IPAが公開している問題で書く練習をする
1つの部の回し方
  1. 1節を読むツリーの順に
  2. 2テストを受けるtest-sc.html
  3. 3間違えた節へもう一度読む
  4. 4記録を残す受講記録を印刷

確認テストの問題は、すべてMoshiruのオリジナルです。本番の問題や過去問の要約ではありません。結果はブラウザの中だけで扱い、どこにも送りません。

IPAは、2025年度までの筆記試験の問題冊子と解答例を公開しています。使うときは、IPAが示す留意点を先に確かめてください。

上司への報告に添える物
  • 受ける回と日程
  • 受験手数料7,500円
  • 登録する場合の費用
  • ツリーの受講記録

昇給などの約束は資格からは生まれない

よくある質問

SGに受かっていなくても受けられますか?
科目A-1の免除の条件は、応用情報技術者試験の合格などで、SGの合格は入っていません(試験要綱Ver.5.6)。申込の条件は、受ける回のIPAの案内で確かめてください。
合格したら必ず登録しないといけませんか?
登録は、本人が申請した場合だけ行われます。登録しない場合は「登録セキスペ」の名称を使えませんが、講習の費用もかかりません。SCS評価制度の専門家を目指すなら、登録と講習が前提になります。
2027年度の新制度を待ったほうが楽ですか?
新制度は試験時間が短くなる案ですが、範囲は管理の分野が強まります。内容は検討中で変わる可能性があります。受けたい時期で選び、その回のシラバスで学ぶのが確実です。

この記事のまとめ

次に読む

  1. 次の場面:取引先に聞かれたSCS評価制度の★3とは経産省の新制度の★3の中身と開始時期、中小企業がいまから始める5つの準備。
  2. 同じ場面・建設・不動産DMARCの設定手順DNSに1行足し、p=noneから段階的に強める進め方
  3. スキルツリー支援士のスキルツリー範囲を教科書の節で読み、確認テストで確かめる

支援士の知識を、取引先への回答に使う

Moshiruは、打合せなしでテキストだけでお受けします。勉強は教科書とスキルツリーから無料で始められます。目の前の取引先のチェックシートは、回答代行で根拠つきの下書きをお返しします。

支援士のスキルツリー無料・受講記録を印刷できるチェックシート回答代行20問まで1.5万円

参考にした資料

  1. IPA「情報処理安全確保支援士試験」(2026年7月6日更新、2026年10月16日確認)
  2. IPA「試験要綱 Ver.5.6」(2026年7月6日、2026年10月の試験から適用)
  3. IPA「申込受付期間及び試験実施期間」(2026年8月26日更新、2026年10月16日確認)
  4. IPA「情報処理安全確保支援士試験 シラバス Ver.2.1」(2023年12月)
  5. IPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」(2026年4月28日更新、2026年10月16日確認)
  6. IPA「情報処理安全確保支援士試験 シラバス(案)Ver.0.1」(2026年8月31日掲載)
  7. IPA「新試験制度のシラバス案について」(2026年9月30日更新)
  8. IPA「情報処理安全確保支援士 よくあるご質問」(2026年9月1日更新、2026年10月16日確認)
  9. IPA「講習の目的と概要」(2026年4月30日更新)
  10. IPA「IPAが行う実践講習」(2026年9月7日更新)
  11. IPA「登録セキスペ 更新について」(2026年10月1日更新)
  12. IPA「登録セキスペの権利と義務」(2026年9月17日更新)
  13. IPA「登録するには」(2025年12月2日更新)
  14. IPA「SCS評価制度の詳細」(2026年5月29日更新、2026年10月16日確認)
  15. 経済産業省・内閣官房国家サイバー統括室「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度に関する制度構築方針」(2026年3月)
  16. IPA「過去問題」(2026年10月16日確認)